どうも、くす太です。
今回読んだ本は、
落合陽一さんの
日本再興戦略
です。
戦後の日本は爆発的な成長を見せていましたが、今ではバルブ経済の崩壊後、低空飛行を続けている状態となっており、教育や経済・法律などにおいても過去から現代に適した変化は起きておらず、現実と旧体制以前のままという矛盾・かい離により、日本の先行きを不安視している人は多いように感じます。
私自身も、このまま日本が進んだ場合、国自体の破たんが訪れるのではないかと危惧しており、日本だけで生きていくという考え自体が危ういことであり、生活の基盤をグローバルに考える必要があるのではないかと、学生時代から感じていました。
本書では、「日本」という国が現状を打破し、結果的には国という単位で浮上する為の方法が、最先端の科学や技術などを使用することで、今考えられる日本の問題点を解決させ、世界の中でも一歩、二歩進んだ状態に行ける、ということなどが書かれています。
私個人的な感想としましては、具体的な方策よりも、一般的な常識や考え方とされている内容を、本来の意味合いや落合さんの解釈にアップグレードさせるところに本書の魅力を感じました。
では、さっそくですが、落合陽一さんの日本再興戦力を読んだ感想などを書いていきます。
本書の概要
著者は落合陽一さん。
堀江貴文さんやキングコング西野さんなどのように、一つの肩書きに拘らないというよりも収まらない人物。
よく知られている肩書きだけでも、
- 研究者
- 大学の教授
- メディアアーティスト
- 実業家
- 経営者
- オンラインサロンオーナー
などがあります。
一つ一つの行いが結果として全ての行いに影響を与えて効果的に働くという観点から様々なことを同時多発的に行っている方ですが、まさにこの方も「多動力」の極みといえます。
本書では、普段なにげなく使用している言葉の正しさ、昔の日本と今の日本を比較した時の問題点の炙りだし、現時点でも社会問題となっている少子高齢社会への具体的方策の提示、落合さんがよく話されている「ワーク・アズ・ライフ」についてなど、タイトル通りに日本が再興する為の戦略が書かれています。
※本書の構成は、
はじめに、第1章 欧米とは何か、第2章 日本とは何か、第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか、第4章 日本再興のグランドデザイン、第5章 政治、第6章 教育、第7章 会社・仕事・コミュニティ、おわりに
となります。
アップグレードされた考え方
はじめにを読むだけで期待感が上がる本書。
なぜかというと、タカアンドトシのネタにもある「欧米」という言葉について言及されており、普段なにげなく使用していたこの言葉の異常さ、異様さを知ることが出来ました。
読み始めてすぐに面白い(考えがアップグレードされる)内容に出会った本書の中で、さらに面白いと感じた箇所をいくつかご紹介します。
百姓という職業
百姓。
この言葉を見聞きすると、多くの方が農家・農業に従事している方というイメージを抱くと思います。
私もそうでした。
しかしながら、教養が半端ない落合さんいわく百姓というのは
- 100の細かい別々の仕事をしている
- ストレスなく生活と一致している
が本来の意味合いとなります。
最近でこそ兼業や副業、複業といった働き方を見聞きするようになりましたが、それでもやはり本業のみというのが大多数の考え方となっています。
本業のみでストレスフルな仕事、働き方であるにも関わらず、雇用時の契約などで副業を禁じたりしている企業がほとんど。
人口減少、少子高齢社会という社会問題が顕在化している今、仕事に対してこれまでと同じような捉え方をしていては、日本は再興できないと感じています。
一つの会社に勤めている場合、本業のみで多くの仕事をこなしていないように思いますが、実際は多岐に渡った仕事をしている人は多く、営業・企画・事務処理・調査分析など、勤め先が一つの会社といった状態ということだけであり、百姓といかずとも細かな多くの仕事をしている、というのが私の捉え方です。
勤め先が一つの会社でなくなれば、多くの人たちが本来の百姓となり、経済は今よりも豊かに回るのではないかと思います。
それには競争という考えが薄まる必要がありますが。
リーダー2.0
既存のリーダー像を考えた場合、
- ぐいぐいとみんなを引っ張っていく人物
- 明るく前向きで、進めべき道を示し、最前線を歩く人物
- 他のメンバーよりも能力が高く、誰よりも先が見えている人物
- 付いていきたいと思わされる人物
などが浮かんできます。
本書では、リーダー2.0時代という言葉が登場するんですが、これまでのリーダー像とは違い、
- 多くではなく、一つでもものすごく尖った能力がある人物
- 弱さがあり、共感できる人物
- 愛される人物
- 付いていきたいではなく、一緒に何かを成し遂げたいと思わされる人物
などと私は捉えました。
なんでもかんでも出来るスーパーマンのような人には付いていきたいとは思いますが、どうしても一歩引いた状態でという感じになります。
それよりも、
スゴいんだけど、どこか頼りなく、
安心感があるけれども、ほっとけない
そんな人と一緒に、行動したいなと私自身は感じるようになりました。
本来の百姓というものがこういったリーダー2.0が増えていくことで、めちゃくちゃ社会的にも大小のコミュニティにおいても重要視されてくるのは間違いないことだと思います。
ワーク アズ ライフの時代
働き方改革で言われているのは「ワーク・ライフ・バランス」ですが、これはあくまでも仕事と生活を別々に捉えており、一人一人の時間を100として計算した場合、それぞれにどう割り振るのが最適なのかといった議論の中で、ライフも良く、ワークも良く、といった考え方から来ているのだろうと思います。
しかしながら、そもそも一人一人に与えられている時間はその人のものであって、それを仕事や生活といった事柄でそれぞれに割り当てる時間を計算する必要はなく、その人にとっては仕事も時間の使用であり、生活も時間の使用という風に考えることで、バランスをとる必要はなく、ストレスがない状態で日々を過ごすことが出来る状況を考えるべきであり、それがいわゆる
ワーク・アズ・ライフ
ということなのかなと考えています。
これからの世界を考えると、生きるということは仕事をしているのが当たり前であり、この仕事という言葉自体が良くないものであり、仕事自体も生活の一部であることから、仕事という言葉をアップグレードする必要があるなと感じます。
※仕事っていう言葉がどこかマイナスに捉えてしまう要因でもあると思います。
最後に
ショートスリーパーとしても有名な落合陽一さん。
※本書で紹介しているのは「日本再興戦略」です。
限られた時間をいかに有効に効果的に使用するかを追求し、他人から見れば自分の生命の酷使でしかない行動力・行動量ですが、だからこその言葉の重みがあります。
日本という国を再興する為の戦略が本書では記されたわけではありますが、この内容が多くの読書に染み込み、実の行動に現れることで本書の内容が現実味を帯びていくことになります。
相も変わらず自己啓発本が出版されては大ヒットしている現状を見てみると、なかなか実際の行動を起こす人っていうのは少なく、圧倒的に一時的な気分の高揚で完結してしまう人が多いというのが現実だとは思いますが、私を含めて一人でも多くの人が実際に行動をすることで、まず間違いなく現実は変わっていきます。
行動を起こす、このことが表す現象は何なのかも考えながら、怠惰に過ごすのではなく、能動的に行動していきます。
※自分のために、周りのために、世界のために。
では。