どうも、くす太です。
最近は漫画や小説がよく実写化されることが多く、それが映画やドラマになって放送されています。
たまに実写化に拒否反応をしてしまう作品があったりしますが、今回観た作品はすごく良く、最初から最後まで飽きずにあっという間といった感じでした。
ちなみに個人的に実写化が最悪だと感じた作品の記事です↓
今回観た映画ですが、
「3月のライオン」の前編・後編
です。(TSUTAYAでDVDを借りました)
原作であるマンガを知らないからこそ面白いと感じたのかは知りませんが、とても良かった作品です。
それでは、映画「3月のライオン[前編]・3月のライオン[後編]」を観た感想を書いていきます。
映画の概要
原作はマンガであり、作者は羽海野チカさん。
※ハチミツとクローバーが代表作の方です。3月のライオンも最高です。
監督は「実写版 るろうに剣心」でもメガホンを取った大友啓史さん。
そして、主演は子役時代のイメージがもう完全にぶっ飛んで、俳優のイメージしかない神木隆之介さん。
主人公の桐山零は、父親が将棋の棋士であったが棋士を引退して家業を継いだところ、不慮の事故で天涯孤独の身となり、父親の友人である棋士に引き取られ、そこから将棋の道で生きていくことになります。
引き取られた当初は将棋の才能は開花していませんでしたが、日々の流れとともに努力が実を結び始めたところ、家族の不幸に続いて、引き取られた家庭が徐々にゆがみ始めてしまいます。
中学生にしてプロ棋士になるも、天涯孤独の身で自分には頼れる人がいないと思いこむ桐山零に、映画を通して将棋・友人・気のおける家族のような存在など、様々な出会いや新しい体験を経て、成長していく姿が描かれています。
原作を全く知らない為、配役が適しているかは正直全然分かりませんが、個人的にはバッチリでした。
※原作がマンガですので、ご興味がある方はマンガもどうぞ。
見どころ
前編と後編を二日続けて観た為、映画の世界観にどっぷりと浸かれましたし、一連の流れで約5時間の長編映画を観た感じです。
将棋のことも将棋界のことも全く知りませんが、それでも十二分に楽しむことが出来る作品でした。
出来れば前編・後編を全て観た上で良いか悪いかを判断してもらいたいですが、観るキッカケになれば、という思いで、見どころを紹介していきます。
主人公・桐山零の生い立ちが凄過ぎる(特に前編)
幼くして不慮の事故により天涯孤独の身となってしまいます。
引き取られた先では将棋の才能が努力により開花していきますが、その才能が義理の姉や弟との軋轢を生み、歪んだ家庭環境になってしまいます。
その家庭を壊さない為に学生の身でありながら単身で生活することを決めて一人暮らしを始めますが、その生活は本当に将棋あるのみといった感じ。
学校では友達のような感じの人はいない様子です。
映画が進んでいくと明らかになりますが、将棋自体も好きだからするわけではなく、生きる為の嘘から始まった将棋の棋士人生。
若くしてあまりにも壮絶な人生です。
※前編だけだと少し重たい空気のままですが、後編を観ると桐山零のこれからの未来が楽しみでなりません。前編・後編の一気観がオススメです。
神木くんの若さよ
主人公の桐山零は高校生。
主役の神木くんは2018年1月時点でなんと24歳!
24歳なのに違和感全然なしの高校生役。
羨ましいほどの若さです。
義理の姉役である有村架純さんは同じく24歳ですが、配役のせいか神木くんの若く見えます!
桐山の切実なる咆哮!!
前編である登場する見どころのシーンですが、なにをしても全て自分のせいにされてしまう桐山が、耐えきれなくなって一人で叫ぶ心からの思い。
「なんで将棋しかないんだよ!」
天涯孤独の身から生きる術として選んだ将棋。
周囲の人からは全ての悪い出来ごとの元凶扱いされる始末。
自分の残るのは将棋しかないのかと絶望しながら叫んだ言葉。
前編だけを観るとすごくスッキリしない部分もありますが、後編を観ることでそのモヤモヤが全てスッキリします。
桐山の天才棋士ぶりもさることながら、様々な出会いの中で出てくる人間らしさが面白かったです。
他の出演陣も配役もええ味を出しています
原作のマンガを全く知らない為、配役が適しているかは全然分かりませんが、出演している俳優さんもいいし、配役もすごい良かったです。ありきたりな言葉しか出てきませんが、違和感なく観ることが出来ました。
先生役の高橋一生さん
主人公の桐山零が通う高校の先生役が高橋一生さん。
あの顔にあごヒゲは少し違和感がありましたが、いやはや人間味溢れる先生。
いい加減なフワ~っとした感じのやる気のない先生かと思いきや、わざと隙を作ってコミュニケーションを取り、ものすごく的確なアドバイスをズバッとする。
こんな先生がいたら、高校が楽しいではないかと思わせるくらいの先生でした。
師匠役の佐々木蔵之介さん
エピトードは省きますが、因縁の相手との対局の一つ前の相手として登場した佐々木蔵之介さん。
目の前の相手としっかりと向き合わないといけないことを桐山零に教えてくれ、その後も将棋人生において師匠のような間柄となっていきます。
佐々木さんがものすごいええ味の演技をしています。
深みのある、趣のある佇まいにセリフ。
発する言葉に聞き入ってしまいます。
ライバル役の染谷将太さん
幼少期からライバルとなっている染谷将太さん演じる二海堂。
初登場の瞬間から個人的には
ガリガリガリクソン出てきた~~
と思っていましたが、演じていたが染谷さんだと知り、染谷さんかどうかの判断が付かない特殊メイクに「なぜ?」と思いました。
このライバルもすごい個性的で、桐山が思っていること・感じていることを感覚的に読んでしまう力があり、友達も身内もいないと思われた桐山のものすごく近い距離にいた人物であり、桐山自身も徐々にその大事な存在に気付いていきます。
義理の父親役の豊川悦二さん
天才棋士である加瀬亮さん演じる宗谷冬司との初対決前に、その凄さに飲み込まれそうになった時に電話越しに伝えたメッセージ、
宗谷もただの人間だ。自分が作った化け物と戦うな。
というセリフ。
無駄にイメージを膨らませて誇張しすぎてしまい、勝手に等身大以上の恐怖を抱いてしまうことを先のセリフ一つで桐山に気付かせます。
素晴らしいの一言です。
※他にも良いシーンがあります。
偶然の出会いから密接な関係になる家族の次女のひなちゃん(清原果耶さん)
いじめに遭っているクラスメイトを救ったことでいじめにあってしまいますが、それに屈することなく、最終的には自らの力で行動し、見事解決してしまいます。
心が折れそうになったところで桐山の言葉がひなちゃんを救っていたりするんですが、それでもたった一人で戦い抜いたひなちゃんはすごい。
この映画でもいじめの気味悪さや汚さは描かれていますが、醜い行為のなにものでもありません。
こんなものが世の中からなくなることを望みます。
感想の総括
将棋は全く分からないですが、とにかく人間模様が面白い。
物語が進む中で着実に成長していく桐山零。
成長するのは将棋の才能だけではなく、様々な気付きとともに人間としても成長していきます。
人は一人じゃなくて、きっと誰かが周囲にいるんです。
支え支えられて生きています。
本作を観終えるころには清々しい気分が待っています!
では。