どうも、くす太です。
今回の書籍は、
山口揚平さんの
「なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?」〜これからを幸せに生き抜くための新・資本論~
です。
Twitterでフォローしている方が紹介していた一冊で、ざっくりとした内容としては、最近よく聞くようになった、貨幣経済から評価経済にシフトする世の中で、どのように生きていくか、その新しい世界観でのお金というものの位置付けなどが書かれていました。
タイトル通りのゴッホやピカソに終始した書籍ではありませんでしたが、これから訪れる社会は間違いなくお金に対する価値観が変わるというものが確かなものであると感じられました。
本書の概要
著者は山口揚平さん。
大手コンサルティング会社勤務を経て独立し、企業の実態を可視化する事業を立ち上げられ、現在はコンサルティングなどの複数の事業を展開されています。
本書では、
お金とは実際に何なのか、
これまでの経済・これからの経済でお金の捉え方はどのように変化していくのか、変化しているのか、
国・企業・個人がいる中でこれからの時代を生き抜く為に必要なものは何なのか、
など、著者である山口さん自身が行動されていることや、行動されている中で感じ取っていることを記してくれています。
最近よく見聞きするようになった「評価経済」・「信用経済」といったものがありますが、これはキングコング西野さんなども日々発信されている、信用の基盤作り、さらには信用を積み重ねることでお金が手元になくても、信用をいつでもお金に交換することができ、これからはいかに信用を獲得していくか、それには嘘をつかずに自分の信念に基づいて日々を楽しみ発信することが重要であるということ。
本書においても、貨幣経済自体はなくならないが信用経済の割合が増えていくことで、お金に拘らずとも生活することができ、その為にはシェアすること、自分で価値を創造し、提供することで信用を得ることが重要であるなどが書かれています。
信用経済・評価経済・シェアエコノミーなど、これから主流になると考えられている日本社会、ひいては世界経済において、本書を読むだけでも夢物語ではなく、必ず到来するものであると実感させられます。
その時にどのように行動するかによって、心身ともに結果が変わると考えられます。
※本書の構成は、
序章(お金とは何か?)、1章(ハゲタカが跋扈し、お金でお金が殖えた時代)、2章(自分の価値をお金に換える覚悟と難しさ)、3章(企業や個人が国家に代わってお金をつくる世界へ)、4章(お金を媒介とせず、モノや価値を直接交換できる環境の広がり)、5章(信用でつながる新たなコミュニティ作り:資本より信用を貯めよう)、付録(お金について身につけたい3つの習慣)、おわりに
となっています。
読んで感じたこと
ドックイヤーがいくつもありますが、その中から2つだけ抜粋して感じたことなどを書いていきます。
やりたいことがなければ、やるべきことをやる
やりたいことだけではなく、夢や好きなことがない場合も含めて考える方がいいと思いますが、私を含めて夢や好きなことが分からず、いわゆる自分探し病みたいな人は結構な数いると思います。
角田陽一郎さんの
という本では、好きなことというのは自然と深く知りたいという欲求が働く為、その物事について詳しい状態になっていることから、現時点では好きなことでなかったとしても、まずはその物事について深く知っていくことで、自然と好きなものになり、好きなものが増えていくといった考え方が書かれています。
<↓過去記事↓>
【夢や好きなことがないという人にオススメ】角田陽一郎さんの<「好きなことだけやって生きていく」という提案>を読了〜好きが見つかる一冊〜 - くす太net
それと似たような感覚でこの部分を読みましたが、やりたいことがないから何もしない、結局、自分探し病を患ってしまう為、何もないならまずは目の前にあるやらなければならないことに時間を費やしてみるのがいいと思いました。
好きなことではないと思っていたものでも、まずは時間をかけてやってみることで、好きな側面が見れたり、最終的にやりたいことでも好きなことでもなかったとしても、そうであるということが分かったというメリットがありますし、もしかしたらその中で自分が好き・やりたいと思う物事というものがどういった類のものか、というのが分かるかもしれません。
お金とは価値の結果であり、信用を数値化したもの
キングコング西野さんや堀江貴文さんなど、今では本当に多くの人たちが発信している内容ではありますが、納得しかない言葉。
お金を払う価値があるからマネタイズ出来るのであり、クラウドファンディングのような換金装置を使用することで信用をお金に換えられる。
元々お金は金(もっと昔には貝殻とかを使用)であり、金には希少性も物理的な限りもあるものである為、金に代わってお金・貨幣というものを発行し、国や政府がそれ自体に価値があると裏付けしたことにより、お金に対してみんなが信用するようになったという経緯があります。
ということはすでに昔からお金というものは信用が基盤にあってこそ成り立っていたものであり、今の時代はキャッシュレスが猛スピードで発展・普及していっている為、ことさらに信用を数値化した、デジタル表示されているものでしかなくなっています。
ただし、とはいっても未だにお金がなければ経済活動に参画出来ないというのが社会の常識である為、安易にお金と決別しようとするのではなく、価値創造と信用貯蓄を念頭に、最重要課題として認識しつつお金と関わることがベターであると思いました。
現在の仕事に関連して考えたこと
マンション管理会社に勤務しており、分譲マンションの管理に従事しています。
【自己紹介記事】〜これまでの経歴・現状・将来の目標など〜マンションに関わる総合コンサルタントに!! - くす太net
日々の業務の中で、管理組合・理事会に対して、積極的な方・消極的な方、関心を持つ方・無関心な方、色々な人たちがいるというのを実感していますが、割合としては関心を持ち積極的な方というのは非常に少数であるというのが実際の現場です。
まれに管理組合などに関心を持って積極的に参加される方がおり、先日、その稀有な存在である区分所有者の方が、マンション内のコミュニティを活性化させようと、共有スペースでイベントを企画され、内容としてはマンション内にある共有スペースに各居住者が保有している書籍などを集めて図書館化するといったものでした。
しかし結果は、
他の居住者はほとんど乗ってこず、書籍もほとんど集まらずに、正直なところ残念なものとなりました。
今回のことで思ったのは、諦めずに何度も何度も挑戦する必要があり、稀有な区分所有者の方を見捨てるのではなく、管理会社という第3者の立場でもありますが、タッグを組んで協力していく必要がある、といったことです。
行動力がある方は様々なことに対して積極的です。
管理会社にとって良いことも悪いことも積極的。
隠さず言うと打算的な面も少しありますが、こういった方を味方というか、協力関係を築いておくと、管理組合運営にとってもプラスであり、さらには新しい枠組みで動く場合においてもプラスに作用することが考えられます。
強制的なコミュニティである管理組合というものに対して、ほとんどの区分所有者は積極的ではなく消極的です。
せっかくあるコミュニティは正常に機能していないことがほとんどであり、本当に有事の時に機能するかが不安視されます。
機能していないコミュニティを活性化させることに取り組んでいる管理会社はほとんどないでしょうし、取り組んでいたとしても成功している事例はないと思います。(居住者の方々で自然にコミュニティが出来上がっているケースもあります)
コミュニティ作りをプロデュースすることが出来れば管理業界だけではなく、全ての分野で稀有な存在になれることは間違いない為、この考えを元に実現する方法を模索している最中です。
では。
<PS>
担当しているマンションの居住者の中に、
- 自分はマンションのことをとても考えている
- 他の居住者は何も考えていない
- 自分が正しい
などと言われる方がいます。
本書を読みながらこの居住者のことを考えていましたが、すごくもったいないなということ。
本人は気付いていないと思いますが、結局は見返りばかりを求めており、自分がしていることを周りに評価してもらい、同じように周りにも行動することを求めています。
みんなとはいかずとも、より多くの人が自分だけではなく周りのことも考え行動できれば良い!ということに間違いはありませんが、本人が気付いていないだけで不平不満ばかりというのが非常に残念です。
こういった内面的な部分は周りには悟られないと思っているかもしれませんが、本人が知らないだけで、周りからは評価されていないことがほとんど。
本書の内容とこの人の事例を関連づけていくと、
- 客観視が大事
- 見返りを求めずに与え続ける
すると自分に回帰してくるようになる、そんな時代が来るといったことを感じました。