どうも、くす太です。
ほとんどのマンションには駐車場が設けられており、地方自治体によっては住戸の数と駐車場の数は同一以上でなければならない、といったルールなどもあります。
敷地を最大限利用して建物を建てることが主流のマンションでは、駐車場用の敷地を効率良く確保する為に、
機械式駐車場
を導入することが多くあります。
以前に
という記事を書きましたが、最近、新たな機械式駐車場に関するリスクが確認されましたので、マンション購入を検討する方の一助になればと思い、記事にします。
※2017年9月現在の情報であり、くす太個人の見解ですので、予めご了承ください。
新たなに判明した機械式駐車場のリスク
この記事に書く新たに判明したものとしましては、
- 安全基準の強化
- メーカーの事業撤退
- 部品の在庫がなくなる
が挙げられます。
それぞれについて詳しく書いていきます。
1.安全基準の強化
安全の基準が強化されることは単純に賛成であり、マイナスの評価ではなく、もちろんプラス評価です。
しかしながら、資産というか、設備の修繕などを視野に入れた場合、大きな費用負担を伴うことが予想されるのは事実としてあります。
安全を強化するということは各部品の強度を上げたり、性能を上げたりといった種類のものもありますが、費用負担という点で例えを挙げると、これまでなかったところに新たな部品を設けることがあります。
現在の機械式駐車場では、車両前にゲートがあるものとないものがありますが、
ゲートがあるものでは、これまでは3台などに対してゲートが1つ設けられていたものが、1台ずつにゲートを設けないといけなくなることが考えられ、
ゲートがないものでは、単純にゲートを設けないといけないといったことが考えられます。
また、単にゲートだけを増やせばいいといったことではなく、それぞれのゲートを開閉する為の操作盤が必要となります。
すると、単純な話として、ゲートと操作盤を今まで以上に設置しないといけなくなります。
こうなると、誰が見ても考えても分かる通り、部品の増大により、修繕対象となるものが増え、当然にそれに対する費用も増大するといった状態であり、資産としての危うさが今以上に増してしまいます。
まぁ、機械式駐車場では事故が多発しているといった情報はよく聞きますので、安全基準の強化のみで考えると喜ばしいことに変わりはありませんが。
2.メーカーの事業撤退
最近よく聞くようになりましたが、機械式駐車場を販売していたメーカーが事業を撤退または他社へ継承するといった事態が発生しています。
事業継承される場合は問題ないように思いますが、各部品の汎用性や互換性がない中での継承であれば、正直なところ、継承のようで継承ではなく、単純に設置しているマンションの資産を得る為の卑劣な手口のように思います。
事業継承時点では、単にこれからは継承会社がこれまでのメーカーの役割を担います、といった感じのみの書面通知となりますが、その実態として、先ほど書いたような部品の互換性を持っているかが分からない為、いざ部品が故障した時にこれまで想定していた以上に費用がかかってしまうといった事態が予想されます。
メーカー側には、是非とも事業継承する際は部品の互換性の維持または製造中止をやめることのない形での引継ぎが望まれるところです。
3.部品の在庫がなくなる
実際にあった話として、
機械式駐車場の電子部品が一つ故障してしまい、交換する場合の見積書提出を依頼したところ、部品の在庫がなく、互換性のある部品もない為、関連する制御盤全体を一式交換する方法しかない、という返答がメンテナンス会社からされました。
なんとその費用が高額も高額。
しかも、機械式駐車場のブロックごとに必要なシステム系の部品の為、一か所だけの対応では万全ではなく、費用は何倍にもかかることが判明しました。
まさかと思い、独立系のメンテナンス会社や他のメーカー系のメンテナンス会社に相談しましたが、いずれもシステム系のものであれば同様に高額費用が必要との返答に変わりはありませんでした。
そもそもの話ではありますが、機械式駐車場は歴史が浅く、長期修繕計画自体も立てづらく、メンテナンス会社やメーカーが言うような一般的な修繕周期は基本的にあてはまることはなく、という収支計画を立てるのが難しい設備である中で、このような部品の在庫がなくなるという予想しえない事態は想定外であり、本当に思ってもみない高額な費用が発生してしまいます。
管理会社というかは消費者としての立場での考えですが、機械式駐車場という莫大なお金がいる設備を作ったメーカーの責任として、部品がなくなるといった事態が発生しないように、独占的な部品や構造ではなく汎用性の高い仕様で設計してほしいものです。
現代における機械式駐車場のリスク
数年前から報道されていますが、車の利用者・保有者が減る現代においては、機械式駐車場を持っていること自体がマンションの負の財産になりやすいと思います。
昔は駐車場利用者が多く、空き区画もない状態であった為、機械式駐車場があることによる収入面のメリットは多くあり、修繕をしたとしても利用率が100%に近かったことから、収支バランスが健全な状態になっていました。
しかしながら、現代では、高齢者の増加や若者の車離れなどによる機械式駐車場の利用者の激減が確認されており、利用率が下がり、当然に収入も減ってしまう為、機械式駐車場がマンション・管理組合の負の遺産となってしまっています。
※実際に収支への悪影響が確認されているところがあります。
また、以前よりも車が大きくなっており、セダンタイプよりもミニバンタイプが人気を集めている為、昔の機械式駐車場ではサイズ制限により駐車することが出来ないといった物理的な問題も発生している事実があります。
改善策として、機械式駐車場の撤去処分による平面駐車場化・自走式立体駐車場化などが考えられますが、平面化には駐車可能台数が確実に減ってしまうことや自走式立体駐車場には莫大な費用・広大な敷地が必要であることなどが問題点として挙げられます。
まとめ
以前の記事同様、機械式駐車場はマンションの資産として望ましいものとは思えない、といった印象は変わらずです。
機械式駐車場が屋内にあり、構造も複雑ではなくシンプルなもの、使用している部材なども劣化しにくいものである以外は避けるべきものと思います。
機械式駐車場は一般的に利便性が高くないものでもありますので、マンション購入を検討されている方にとって、本記事が一助になれば幸いです。
では。
<PS>
シェアエコノミーとしての流れが現代の主流となっており、タイムズなどであればシェアリング出来る車が常備されている駐車場もあり、レンタカー屋も町中によく見かけます。
また、所有することによるリスクとして、維持費などの費用面が大きな割合を占めていると思います。
リスクへの対応として、車を所有するのではなく、多くの人でシェアすることにより、必要なコストが分散されるので、所有しないという選択がベターという人が増えるているといった現状が理解出来ます。
車を所有するかしないかの選択から逃れるのであれば、そもそも車をほとんど利用しなくて済むような環境に身を置くことも選択肢の一つとして考えられます。
利便性の高い駅の近くに住むことで、家賃が高くなる反面、車を所有することによる維持費が不要になります。
トレードオフの関係とはいえませんが、選択肢は一つではなく、様々な情報をもって多角的な視野で物事を見て考えることが重要です。