どうも、くす太です。
台風などの災害が発生した際、現在勤めている管理会社では、緊急対応要因として数人は会社に留まるようにすることがあります。
まぁ、災害の規模というかレベル、また、発生する時間帯などによっても対応というか反応が様々ですが、普段よりもザワザワした感じに会社内はなります。
上司や先輩、同僚などの考えは会社の考えと似ており、災害などが発生した時は緊急対応として管理会社の人間が現場に行かなければという考えを少なからず持っています。
しかしながら、私自身はというと、一切その感覚に共感することが出来ず、いつも違和感を感じてしまい、当然、自分がしている仕事・業務の範囲ではありますので、全く何もせずに他人事・無関係といった感じにしているわけではありませんが、やはり納得のいかないところが消えることはありません。
今回の記事では、災害などが発生した際に管理会社が本来とるべき行動や、予防保全などの事前にとるべき動きについて、最善策と思っていることを管理会社のフロント担当者である私の目線で書いていきます。
台風や地震などが発生した時の状態
地震などの突然発生する災害は次元が違う為、一旦は台風などの事前にある程度予測が立てられる災害について、且つ、この部分では予測が立つ中での行動ではなく、災害が発生している時の状態について書いていきます。
台風が上陸し、自分たちが住む街に近付き、通過すると、強風を伴った大雨が長時間降り続く為、歩道や道路などの外には人気がなくなり、物が飛散していたり、大きな水溜りや川のような雨の流れ、様々な物が壊れたり飛ばされたりしています。
こういった状況下では交通機関はほとんど機能を停止し、交通機関を利用している人々は移動出来ない為に風雨をしのげる場所で待機。
一歩外に出ればとんでもない強風と大雨。
まれにですが、気がどうにかなってしまったかのように外を移動しようとする人たちがいますが、当然のごとく自然の猛威にさらされ、全身濡れた状態になっています。
走行している車両もほとんど見かけませんが、台風が来ている時は救急車が走っているケースが多いような気がします。
管理物件の状態
管理している物件は、自分が担当しているものに限ると分譲マンションのみ。
分譲マンションなので、イメージとしてはアパート的なものではなく、どちらかというと強固なイメージの建物といったところですが、大部分がコンクリートで作られてはいるものの、木材が使用されている場所もあれば、主に窓となりますがガラスが使用されている箇所もあります。
管理物件に着くまでの道路もですが、管理物件自体でも共用部はほとんど外部に面している為、台風の影響を完全に受けている状態です。
廊下も階段も雨が吹き込み、建物内にいるにも関わらず、傘を差したりレインコートを着たりしなければ濡れてしまいます。
強風がひっきりなしに吹いている為、場合によっては窓ガラスにヒビが入ったりしますし、バルコニーには隣住戸のバルコニーを隔てる部分にパーテーションボードという所謂、防火隔壁が設置されていますが、台風の後はこの隔壁が割れているといった内容の連絡がよく入ります。
※防火隔壁は、火災などの非常時に隣のバルコニーなどに避難出来るよう、ある程度の力を加えれば破損するような素材で作られています。(消防に関わる設備)
大雨も台風が過ぎ去るまでは長時間降り続くことが多い為、通常の雨量であれば問題ないところでも、排水超過によって水が溢れてしまい、地下部分などが冠水することもあり、屋上などにおいても排水が追い付かずに溢れてしまうことで、住戸内に浸水してしまうことがあります。
台風が過ぎた後はほとんどの物件がゴミというか木の葉などが飛んできている為、汚れたような状態になっています。
管理会社の状態
台風などの災害が発生しいる時の管理会社、特に今勤めている会社を例に挙げると、なんでかザワザワしてしまっています。
今どのあたりに台風が来ているだとか、速度はどれくらいだとか、台風のこの方角に雨雲がいるとか、台風の情報が逐一、定期的に報告されています。
※こんな情報は今の時代、仕事をしながらでもインターネットですぐに確認出来る為、いちいち声に出す必要はないと思います。上席が声を発するだけで部下の人たちは注意をそっちに持っていかれてしまう為、無駄な情報拡散は不要です。
業務時間中であれば当然ですが、有事が起きた際にどのように対応するかは検討しておく必要があります。
漏水が起きていると連絡があった時にどのように返答するか、
台風が去って天候が回復した時にどのように対応するか、
物が飛んできて共用部が破損したり、逆に共用部が破損して物が飛んで行ってしまったりした時にどのように対応するか。
様々なケースを想定して事前に対応方法を検討しておくことは非常に重要です。
また、排水ポンプや雨具、応急処置用の道具の状態など、装備品の状態チェックも重要です。
ですが、勤め先である管理会社では正直なところ、浮足立ってしまっているだけといった状態です。
有事の際にとるべき行動
勤め先の管理会社では、有事の際はとりあえず誰か現地に行けという考えになっています。
手に技術を持ち、物が壊れていたら自分で補修出来たり、設備に不具合があれば復旧させたりすることが出来る人ならまだしも、フロント担当者は分類的に技術職ではなく、営業職やコンサルタントといった位置になります。
とにもかくにも、手に技術を持つ人であったとしても、台風が猛威を奮っている、実際に被害を受けている状態のマンションに人を行かせることは間違っているとしか感じません。
強風に煽られて倒れる人もいれば、突然の竜巻で車両が横転したり、木が倒れたりしているような状態の現場に人が向かうべきではないと思います。
自然が猛威を奮っている時に、人はその猛威に抗えません。
猛威が去るのをじっと待つしかないと思います。
自分の身は自分で守らなければ。
管理会社に勤めて10年ほど経ちますが、有事の際に本当に大事なことは、災害が発生しているその時にその場に行くのではなく、
自然の猛威が去った後にどれだけ素早くスピーディーに安全確保及び復旧作業を行えるか
が重要であると感じています。
安全確保及び復旧作業をいかに素早く出来るかを考えていくと、簡単な安全確保であれば管理会社の社員でも大丈夫だと思いますが、復旧作業については当然専門知識のある専門業者に依頼するのが最善であり、この部分で管理会社に求められてくるのは専門業者といかに密な関係構築しているか、すぐに動いてもらえる専門業者とどれだけ協力関係にあるかだと思います。
被害箇所の安全確保策を持たずに、且つ、被害が発生しているその時に現地へ行くのは非常に危険です。
有事の前にとるべき行動
有事が発生しているその時の現地対応は危険である為、絶対に避けるべきであり、有事が去ってからの安全確保及び復旧作業を素早く行えるように専門業者との関係を密に構築すること以外に管理会社がとれる行動。
それは、
事前に予防策を提案し、管理組合に実際に取り組んでもらうこと
です。
台風であれば、まずは大雨への対策として土嚢袋の確保と設置するタイミングの決定、設置する時のルール制定などが考えられます。
大雨以外であれば強風への対策ですが、強風が伴う雨の場合、しっかりと施錠された窓であっても隙間はある為、その隙間から水が入り込んでくることがあります。
また、通気口からの流入も考えられる為、周知徹底を行い、台風が到来する時には要所にタオルを設置してもらうことなどを推奨することが重要となります。
強風は物を飛ばしてしまいますので、物が飛来して窓ガラスが破損することも考えられる為、その場しのぎのダンボール手配なども事前対応としては良いと思います。
有事が発生しているリアルタイムでの行動ばかりではなく、災害はこれまでの歴史を考えるとどこかのタイミングで必ず発生している為、その様々な経験を自分のものとし、事前予防策・予防保全の重要性をしっかりと伝え、事前対応への取り組みを後押しするのは管理会社の仕事といえます。
まとめ
地震が発生した時のことは全くといっていいほど書いていませんが、台風や地震などの災害が発生した時、根性論での現地対応は非常に危険であり、決して管理会社が出来るものではないと思います。
人は命あってのものです。
リアルタイムの現地対応に拘らず、人類がいまだに勝つ見込みが薄い自然の猛威に対して、被害が発生してから素早く対応することも最善策の一つですし、災害による被害を最低限のものにする為に、事前に行える予防策を打つのも最善策の一つです。
管理会社に勤める人たち、管理会社を経営している方々、今一度、管理会社の存在意義や役割などについて考えてみてはいかがでしょうか。
では。