どうも、くす太です。
現在、我が家は幼稚園の年中組の娘と2歳児の息子の育児・子育て真っ最中。
子育て世代は同じだと思いますが、いろいろと考えてしまうことがあります。
しつけもしかり、教育もしかり。
習い事一つとってもアレコレと考えてしまいます。
これまでにも子育て本なるものを読んだことはありますが、しっくり来るものはありませんでした。
しかしです!
今回読んだ「『学力』の経済学」はすごい。
個人の感想とか経験則からの話ではなく、実証データを用いた効果が書かれています。
衝撃を受け、全ての子育て世代におすすめしたい本書、「『学力』の経済学」をご紹介します。
本書の概要
著者は中室牧子さん。
教育経済学者であり、慶應義塾大学・総合政策学部・准教授でもある方です。
そんな中室さんが、教育の定石ともいえる現在の教育指針や教育論などに対して、科学的根拠(=エビデンス)を用いて、これまでのものは所詮、思い込みのものであったことをスマートに解説しています。
他の子育て本と違うところ
本書では、科学的根拠(日本では少ないですが、海外[特にアメリカ]で実際に行われた実験データを)を用いた分析を徹底しており、思い込みや個人の価値観による「教育はこうあるべき・これは効果がある」などといった内容はなく、その思い込みが実際のデータで見る限り、当てにならないものであることを証明してくれています。
いかにこれまでの教育論というものが的を得ていなかったが分かります。
事前に紹介しておきたい内容
全ての内容が「なるほど、そうなのか。」となってしまい、出来る限りご自身で読破して頂きたいですが、あえて事前に紹介するならば!ということで、本書の帯に書かれている内容についてご紹介します。
1.ご褒美で釣るのは悪くない、ではご褒美はいつ与えるか。
実際の研究データとして、ご褒美を与えることによる学力向上への影響についてまとめられており、その研究成果として、
ご褒美(=報酬)を与えることで学力の向上につながることが判明しており、
そのご褒美を与えるタイミングとしては、学力テストの結果が良ければご褒美ではなく、テストの為に勉強することに対してご褒美を与える方が、結果として勉強の仕方を学べ、学力テストの点もアップすることが判明しています。
※このデータの補足としては、学力テストの結果に対してご褒美を与える場合でも、しっかりと日々の勉強をサポート出来れば学力向上の効果が出ることも判明しています。
この研究データから、一般的に周知されている「ご褒美で釣る行為が悪いものではない」ことが科学的根拠に基づいて導き出されています。
2.テレビゲームなどは悪影響を及ぼすか。
様々な人がテレビゲームをすると学力向上に悪影響がある為、テレビゲームはさせない方がいいという見解を持っていると思います。
しかしながら、科学的根拠としては、長時間のゲームプレイは別として、学力への影響はないことが判明しています。
1時間程度のテレビゲームであれば、学力向上を阻害するものではないということが導き出されています。
※ゲームをする時間を減らしたとしても、その分が勉強に変わるわけではない為、影響なしということです。
3.教育はいつから始めるか。いつから投資するのが良いか。
一般家庭において考えると(我が家もでしたが)、幼児期や小学生などの頃はあまり習い事などにはお金をかけず、中学生や高校生などになっていると学習塾に通うという教育への投資が大きくなると思います。
教育経済学における科学的根拠から導き出されるものとしては、
とにかく早い段階から、幼児期などから始めるのが望ましい
ということです。
費用対効果でもありますが、学習塾などにかかる費用と、幼児期の習い事にかかる費用とでは大きな金額差があり、得られる効果としては幼児期の方が成長への影響は大きいものとなります。
ここでいう教育への投資としては、学習塾のようなものだけではなく、幼児期であれば習字や公文、サッカークラブなども含まれています。 勉強だけではないのです。
ここでの話としては、幼児教育は重要ということです。
日本政府の残念さ
現在というかこれまでの日本の教育論には、科学的根拠はなく、個人の考えや思い込みなどが反映されています。
ゆとり教育や少人数学級、最近ではタブレット支給などもですが、教育政策を実行することで得ることのできる効果を検証することなく、目新しさや隣国での成功事例などをそのまま活用しているようです。
タブレットを支給したとしても、それを活用した授業プログラムが組めなければ、そのプログラムが効果的でなければ、タブレットの導入費用だけが無駄に発生してしまいます。
世界各国では科学的根拠を基に教育指針を立てたり政策を実行しているにも関わらず、不景気を脱しない日本社会において、現時点でも科学的根拠なく政策が実行されています。
科学的根拠を得られる実験が出来るように、
これまでの収集データが研究者に渡るように、
すでに遅い気はしますが日本は変わらなければならないと思います。
まとめ
初めてといってもいいくらい、子育てについて「なるほどなぁ〜〜」となりました。
実際のデータを基に弾き出された真実こそが正しいわけではありませんが、人の価値観や体験などの不確定要素の強いものより信憑性があると感じます。
自分の子育てにおいて試してみる価値は十分にあります!!
結果として効果が薄いかもしれませんが悲観的になる必要もないですし。
まだ読んだことがない方には是非とも読んで頂きたい一冊です。
では。
<PS>
今年3歳になる長男は日に日にやんちゃ坊主のいたずら小僧になっていきます。
どのような教育をすべきか、幼稚園の年中さんである長女ともに考えてしまうところですが、本書のような科学的根拠に基づいた教育を与えることが出来ればと考えています。
ですが、何よりも一番は子供たちが毎日笑って楽しくのびのびと出来るようにすることだと思っています。
その為には親である自分も楽しく暮らそうと思っています。