どうも、くす太です。
分譲マンションに限ったことではありませんが、
コミュニティの形成・発展は非常に重要なこと
です。
これまでの記事にもその重要性について書いてきましたが、本記事では
実際に担当しているマンションであったこと、起こっていることについて、下記の流れで書いていきます。
1.はじめに
これまでの記事にも書いていますが、分譲マンションというのは、共用部分と専有部分に分かれており、共用部分は全区分所有者の共有財産であり、不具合などがあった場合は全区分所有者が構成員・組合員である管理組合が対応しなければならない箇所となっています。
共同住宅という位置付けにあるマンションとしては、昨今問題視されているコミュニティの欠如は解消・改善することが望ましく、地震などの有事の際は、コミュニティが形成されているかどうかで、被害発生時の初期対応やその後の事後対応などに大きく影響してしまいます。
コミュニティ欠如に対する注意喚起・コミュニティの重要性に対する啓蒙活動
として書いていきたいと思います。
2.駐車場が浸水被害に!
担当している物件では、立地的な問題もあり、竣工当初に大雨の影響で駐車場が浸水・冠水する事故がありました。
駐車場は機械式である為、駐車していた車両が数台と機械式駐車設備は浸水被害に遭い、故障。
車両はクラクションが鳴り続け、ヘッドライトが点滅している状態だったそうです。
復旧費用は機械式駐車設備だけで約500万円。
竣工当初であり、管理組合にはすごい痛手です。(この地域は以前から同様の大雨が観測されており、道路勾配や敷地の高さなどからも、水が流入してしまうことは容易に想像が付く状況ではありましたが、売主からは事前説明も大雨への対策も施されていなかったそうです。結果的には売主側で復旧費用を全額負担。安易なことはしてはいけないという見本です。)
その後、この管理組合では駐車場の組織を作り、定期的に会合を開き、大雨時の対応を当番制にするなど、当面の間は対応していましたが、市町村側で大規模な公共下水・排水設備の改善工事が行われた為、大雨が降っても同様の事態は発生しなくなりました。
〜それから15年以上が経過〜
※駐車場の組織は事実上の解散、大雨に対する意識も薄れ、平穏な期間が何年も続いていたところ、、、
突然!!
いわゆるゲリラ豪雨、しかも短時間ではなく長時間降り続く集中豪雨が発生するようになり、この地域でも発生!
想定を大幅に超える雨量の為、あっという間に公共設備では対応出来なくなり、前面道路は冠水し、水がどんどんと駐車場へ!!!
一瞬の出来事で
駐車場は冠水し故障・機能停止、対応が遅れた車両一台が浸水被害で完全に故障!!
以前と同じ被害が発生してしまいました。(この地域では広範囲に渡って同じような被害が発生した為、数日間はニュースで報道されていました。)
竣工当初ならまだしも、すでに15年以上が経過。
当然、売主の問題ではなく、管理組合・マンションとしての問題です。
3.管理組合としての対応
被害状況や当日の状況を知らない住民もいた為、緊急で集会を開催。
出席可能な住民のみ集まってもらいました。
集会の開始早々、予想通りというか、
「今回の被害、管理会社に責任はないんですか?」
「復旧費用はどれくらい負担してもらえますか?」
という発言。。。
えぇぇ〜〜??
うち関係ないですやん!!?
と言いたいところを堪えて、
天災・自然災害はどうにも出来ないこと(免責事項)ですし、以前のようにこうなることが安易に予測される中で意見提起をせず、提案もせず、ならまだしも、元々あった組織を事実上解散してしまったのは誰か、浸水被害に対応出来るように保管されている止水板を使用しなかったのは誰か、などなど言いたいことは山ほどありましたが、それは意味がない為、これは管理組合の問題であることを理解してもらい、これからのことについての話し合いを進めました。
被害後の集会以降、何度も話し合いを行い、以下の対応を取ることが決定しました。
- 使いやすい止水板の新設
- いざという時の為に小型排水ポンプの購入
- 機械式駐車設備の復旧
- 復旧費用の一時金徴収
機械式駐車設備の復旧工事の時期と新しく導入する設備の納品の時期を並行して進め、対応完了時に新設備の説明会を開催。
つい最近の出来事の為、興味を持つ方も多く参加者多数で実施が出来ました。
4.復旧後の現状
復旧後は大雨被害の教訓を忘れない為に、最低でも年1回は防災訓練を行っています。
最初は段取りや進行具合がある為、私が進めましたが、その後は管理組合・理事会が主導で行っており、少し参加人数は減りましたが防災訓練は継続しています。
そんな中、
浸水被害があったほどではないですが、
集中豪雨が発生。
水が流れ込み、排水ピットの満水警報が作動!!
さぁ、今こそ訓練の成果を発揮する時です!!!
あれっ??!
ところが、出てきた住民は少数。。。声掛けをしても特に協力せず。
残念の一言!!!
被害に遭うのはマンションです。
被害に遭ってからでは遅いのです!!
今、この行動に移してもらう為にはどうするべきかを話し合っています。
なぜ自分ごとにはならないのでしょうか。
本当に不思議です。
(当然ですが、今回出てきた方は、しっかりとマンションの問題であることを認識し、向き合い、対応しています。)
5.必要な改善点
話し合いの中で、満水警報が作動している時に出てこない・対応しない住民には罰則規定を設けてはどうか、対応していない住民の部屋番号や氏名を公表してはどうか、などの協力しない住民を罰する方向で物事を考えがちですが、
それでは何も解決しないと思います。今以上に協調制がなくなり、不仲のマンションとなってしまいます。
今の考えを改めてもらい、
他人の財産ではなく自分の財産であること
自分の財産は自分が守らなければならないこと
非常時には現地にいる人が一番迅速に対応出来ること
、などを本当の意味で理解してもらう必要があります。
理解してもらった上で、実際の行動に移してもらうのです!!
重要性を理解せずに行動したとしても一定の効果は当然ありますが、気持ち的には否定的な面があったり、結局は行動しなくなると思います。
行動し続けてもらう為にも、意識改革は必要なのです。
6.最後に
本記事の冒頭でも書きましたが、分譲マンションの共用部分は全区分所有者の共有財産であり、不具合などがあった場合は全区分所有者が構成員・組合員である管理組合が対応しなければならない箇所となっています。
自分たちが、自分が、行動しなければならないのです!!
自分たちが行動しなければ何も守れず、人的被害が出る可能性もあります。
人的被害にも建物や設備への被害が発生するかもしれません。
被害が出た時に、誰かが責任を取ってくれたり、保証してくれたり、を期待してはいけません。
保険に加入していれば、保険金が出るかもしれませんが、それでいいのでしょうか?
人的被害の場合は取り返しがつきません。
最後にもう一度書きますが、
自分たちが、自分が、行動しなければならないのです!!
では。
<PS>
地震などの大規模な災害が発生した場合、常日頃管理を委託している管理会社も、マンションと同様に被害に遭っていることが考えられ、頼ろうにも頼れない状況が予想されます。。
そこで頼れるのは同じマンションに住む自分たちです!!
日頃からコミュニティを意識した行動をお勧めします。