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『くす太』という管理会社に従事するマンション管理コンサルタントの雑記ブログ。書評・日常・マンション管理のことなど。

【必要なものから不要なものまで】管理組合が保管する資料について〜管理会社のフロント担当者の目線より〜

どうも、くす太です。

 

分譲マンションが建てられ、区分所有が可能な専有部分と持分割合がある共用部分が分譲されると管理組合という団体が法律上必然的に設立します。

 

共同住宅であるマンションを維持管理し、長期に渡って利用ができ、健全な状態を保ち、尚且つ、多くの居住者同士が問題なく円満な関係を保ちながら生活していく為の運営を全区分所有者で構成される管理組合と数名の代表者で構成される理事会が行なっていきます。

 

その運営を行う中で、点検を行ったり、色々な契約を締結したりすることで、管理組合に対して多くの資料が提出されることになります。

 

資料は築年数が経過するほど多くなり、膨大な量となります。

膨大な資料は保管場所の問題や引継ぎの問題、見返す際の手間の問題など、適切な管理が必要となります。

 

そこで、分譲マンションのフロント担当者の目線で、管理組合が絶対に保管しておくべき、または保管出来るのであればと思う資料などについて書いていきます。

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管理組合に対して提出される資料

管理会社から管理組合(主に理事長職・監事職)に対して提出される資料ですが、管理委託契約の内容によって異なる部分がありますが、ここでは各設備などの点検も全て管理会社へ委託している場合や直接各業者と契約している場合などを含んで書いていきます。

 

管理委託契約書

自主管理の管理組合であればこの管理委託契約書はありませんが、管理会社と委託契約を締結している場合は必ず契約書があります。

 

委託している内容、つまり管理会社が契約に基づいて行う必要がある項目が書かれています。

逆に契約外のことも把握出来る資料となります。 

 

契約書や重要事項説明書

管理会社との管理委託契約以外に、点検業者と直接契約を締結する場合、各点検業務または各点検業者との間で契約書を締結します。

 

管理委託契約書と同様に依頼内容などが分かる資料となります。(イレギュラー発生時などのことも書かれている為、重要な資料です)

 

保証契約の証書

管理会社との契約内容に寄りますが、管理会社がランニングコスト用の口座、いわゆる収納口座の印鑑を保管している場合、法律上保証契約を締結している必要があります。

 

管理委託契約に基づいた保証契約が締結されているかどうか判断出来る証書は重要な資料となります。

 

収支報告書

管理組合の収支状況が把握出来る収支報告書。

毎月、管理会社から理事長に対して必ず交付されるものであり、貸借対照表や当期の収支報告書、未収金一覧表などが添付されています。

 

管理事務報告書

管理委託契約に基づき1年間の管理組合・理事会としての事業執行状況、審議状況、加えて当期の決算収支報告書で構成されている管理事務報告書。

 

管理委託契約に基づいて必ず、管理業務主任者という国家資格者からの説明の上、交付されます。

 

この資料があれば1年間の間に行われた会合日程や審議した内容、実行した内容、各点検の実施日程、管理組合のお金の動きなどが把握出来ます。

 

監査資料

管理組合が1年間の決算を迎えると、決算収支報告書に合わせて、管理組合・ 理事会をチェックする役職である監事に対して監査資料が交付されます。

 

決算収支報告書では1年間のお金の流れが分かりますが、監査資料ではお金の動きの証拠資料が添付されており、不正な処理が行われていないかどうかを確認することが出来ます。

 

各設備の点検報告書

管理委託契約に基づいて行われる点検の報告書や直接契約による点検報告書など、各点検業者から発行される点検報告書。

 

設備が多ければ多いほど点検する機会が増え、交付される資料も増えていきます。

点検報告書には、法定検査の正式な資料や手書き資料なども含まれています。

 

工事報告書 

修繕などが必要な時に工事を行うと、工事業者から工事報告書が提出されます。

写真だけの資料や測定数値なども記載された資料、工事前後を比較して見ることの出来る報告書などがあります。

 

絶対に保管しておくべき資料

ここからは管理組合として絶対に保管しておくべきと考える資料を挙げていきます。

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最新の管理委託契約書

古い管理委託契約書は現行の契約内容ではない為、あくまでも最新の管理委託契約書を残しておけばいいと考えます。

 

古いものはあくまでも以前の契約内容です。過去の契約が確かに履行されていたかどうかを検証するのであれば必要ですが、私としては今現在締結している契約内容が分かる最新のものがあれば問題と思います。

 

最新の保証契約の証書

この証書についても上記の管理委託契約書と同様ですが、期間が有効な証書だけで問題ありません。

 

過去のものはあくまでも過去のもの。期間切れの保証契約の証書が必要となることは基本的にないと思いますので、不要と思います。 

 

監査資料

1年間の各期毎の収支状況が確認することができ、尚且つその証拠資料も添付されている監査資料。

これさえあれば過去のお金の流れも分かりやすい為、最新の監査資料だけではなく、過去の分を全て残しておく必要があります。

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保管出来るのであればと思う資料

絶対とは言わないまでも、保管スペースがあって残しておくことが出来る場合は、という資料を挙げていきます。

 

決算収支報告書

絶対に残しておくべき資料に挙げた監査資料に添付されている決算収支報告書。

通常総会時の資料にも添付し、管理事務報告書にも添付されています。

 

収支だけで考えると監査資料のみで十分ですが、収支報告書だけを見たい、証拠資料膨大になる為、お金の動き(いわゆる数字の動き)のみを見たいという場合は決算収支報告書を残してはいかがでしょうか。 

 

工事報告書

修繕などを行った場合に提出される工事報告書ですが、個人的には修繕が完了すれば現況としては問題がなくなる為、長期間残す必要はなく、短期間で処分してもいいかと思います。

 

修繕した時の状況を残しておきたい場合は保管すればいいと思いますが、修繕時期だけを知りたい場合は監査資料や決算収支報告書で実施年は分かる為、不要となります。 

 

保管する必要のない資料

保管ルールがない為に資料が膨大となり、整備する際に不要と考える資料を挙げていきます。

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過去の収支報告書

最新と毎期の決算収支報告書と監査資料を保管する場合、毎月の分はあくまでも期途中であり、決算収支報告書または監査資料に必ず全て記載されることになりますので、過去の収支報告書は不要です。

 

資料が溜まる原因の資料です。

 

過去の各設備の点検報告書

収支報告書同様に、資料が溜まってしまう原因の資料です。

 

点検時点での状況を把握出来るものではありますが、古いものになると意味はなく、あくまでも現在の設備の状況を知っておくことが重要であり、1年間ほどの過去資料があれば、点検が問題なく実施されているのか、不具合が発生したタイミングはいつかなどが把握出来ますので、長期間保管しておく必要は一切不要の資料となります。

 

契約期間の終了した契約書と重要事項説明書

有効な契約期間の契約書と重要事項説明書は当然に必要ですが、過去のものは不要と考えています。

 

契約内容がしっかりと履行していたかどうかを確認し、履行されていない場合に追求する資料として残しておくこともあるかもしれませんが、それであっても長期に残しておく必要はないと思います。

 

過去の実施状況を追求するにしても、あくまでも過去の為、履行していると言われたら意味がないですし、証拠資料の提示を求めたとしても、保管期間があるような資料・契約行為でなければ資料はもうないと言われれば反論が難しくなりますので、紛争などは想定せずに不要と考えています。

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資料保管ルールの決め方

期毎の理事会などで異なるマイナールールではなく、管理組合として統一したルールを決めておくことをオススメします。

そうすることで保管しやすく、捨てやすく、尚且つ見返しやすい資料が保管されることになります。

 

決定方法につきましては、出来れば理事会ではなく総会で決議を行って決定していく方法が最善と考えます。

 

管理組合における意思決定の最高機関は総会決議です。

その場で決定されたことは管理組合員全員が共通認識を持つことが出来る上に、あとあとの異論に対しても説明がつきやすくなります。

 

出来るだけ設立から早い時点で、実際に資料を目の前に用意した上で、資料保管のルールを話し合い、決定していくことが重要です。 

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不要な資料を処分する時の注意点

個人情報(各居住者の内容もあれば管理組合・マンションとしての内容もあります)が資料には記載されていることが非常に多くあります。

 

この個人情報ですが、以前はほとんどの管理組合が個人情報保護法の適用外でしたが、

年の法改正により、管理組合も適用対象となりました。

個人情報に関する関心は日に日に世間的にも高まっています。

実際に情報が漏洩してしまうことで被害が発生してしまう可能性があります。

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資料を処分する時にはこの個人情報を十分に気をつけることをオススメ致します。(個人情報記載資料を処分する専門の業者がいますので、業務用シュレッダーなどがない場合は利用をオススメします)

 

まとめ

管理組合が設立されて年数が経てば経つほど増えていく資料。

保管しておくルールを決めていないが為に、理事長職の方はとりあえず資料を全て残しておいたり、逆に全て処分してしまい、必要な資料が何も残っていなかったり、ということが実際にあります。

 

結果として管理組合が保管する資料が統一ルールもないことで、必要な資料も残っていない上にいらない資料ばかりが雑に保管されてしまい、ただただ保管スペースを無駄に取ってしまい、整理されていないが為に不要で邪魔な存在となってしまいます。

 

資料の中にはしっかりと保管しておくことで、大規模修繕工事や設備更新時、施工不備などがあった時、などなどのいざという時に効果的に使用することが出来るものがあります。

 

また、事前に保管ルールを決めておくことで、無駄なスペースを使用することなく、いざという時にすぐに使用出来るような整理をすることも可能です。

 

資料の保管方法で悩んでおる管理組合におきましては、本記事を参考にし、独自の保管ルールを決めていただければ幸いです。

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では。