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『くす太』という管理会社に従事するマンション管理コンサルタントの雑記ブログ。書評・日常・マンション管理のことなど。

分譲マンションで必ず発生する【修繕積立金】とは~適正な金額の見分け方は?重要なことは?~

どうも、くす太です。

 

分譲マンションには賃貸マンションとは違って共益費というものは存在しませんが、毎月発生する費用として、

管理費

修繕積立金

というものがあります。

この管理費、修繕積立金ですが、かなりの数の分譲マンションが立ち並び、多少の歴史も経た今現在においても、どういう類のものかというのがあまり周知されているものではないと、マンション管理会社に勤めていると感じることがあります。

そこで、この記事では修繕積立金について書いていきたいと思います。

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分譲マンションとは

修繕積立金の話に入る前にまずは分譲マンションについて簡単に説明しますと、

賃貸マンションは、建物全体の内、廊下などの共同利用部分も各住戸内も所有権は同一人(所有権を共有していることもあります)が所有していますが、

分譲マンションは、建物全体の内、廊下などの共同利用部分、いわゆる共用部は管理組合の構成員である組合員がそれぞれ持ち分を持って共同所有し、各住戸内である専有部分は組合員がそれぞれ単独で所有しています。

 

管理組合とは法的に必然に構成される団体であり、専有部の所有者は当然に組合員となります。(理解されていない人もいますが拒否権はありません)

※分譲マンションについてはこの程度に済まさせて頂きます。

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修繕積立金とは

小修繕などとは異なり、定期的に計画して行う修繕などに使用する為に毎月徴収されるお金のことを修繕積立金といいます。

定期的に計画して行う修繕として代表的に挙げられるものですが、

10年から12年周期で実施を検討する大規模修繕工事

給水ポンプや貯水槽、排水ポンプなどの設備の更新工事

給水管や排水管などの更生工事まとは更新工事

があります。

※修繕積立金を支出して行う工事は基本原則として共用部分が対象となります。

 

いずれも大きな工事となる為、当然必要なお金の額も大きくなります。

長期間に渡って徴収する修繕積立金ですが、毎月の額で貯蓄が十分ではない場合、必要な工事を断念するか、延期するか、一時金としてまとまったお金を徴収するか、お金を借りるかなどの工事とは異なる検討が必要となってしまいます。

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適正な金額は?

まとまったお金が必要な工事を行う時に貯蓄額が十分ではない場合、工事以外に資金繰りの検討も必要となってしまいます。

 

そこで、修繕積立金の適正な金額はいくらかという問題が出てきますが、全国や都道府県別の平均額は算出されていることはありますが、それが全てのマンションに当てはまるわけではありません。

大事なのは建物の形状と設置されている設備であり、建物の形状が複雑だったり、特殊な仕様だったりすると高額になりやすく、設備も特殊だったり、数が多かったりすると高額になりやすくなります。

 

建物の形状で高額になりやすいのは、吹き抜けが多かったり、角部屋が多かったりすると、足場の面積が増えてしまう為、必然的に高額になります。

 

長期修繕計画表は大事

建物の大規模修繕や設備の定期修繕を25年から30年の長期間で表にしているのが長期修繕計画表です。

この表には該当期間に発生する修繕による支出額とその時期、反対に現時点で想定される収入額、この収支も記載されており、計画通りに工事と収入が進むと修繕積立金会計がどのように推移するかが分かるようになっており、全てが計画通りにいくわけではありませんが、修繕積立金を設定する時の一つの指標とするには十分な資料です。

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まとめ

分譲マンションの数は今や600万戸を超えており、その棟ごとに必要な管理費や修繕積立金などの額が異なります。
住んでいる人も多種多様であり、永続的に同じ人が住むわけでもなく途中で人も変わります。

分譲マンションである以上、修繕積立金は絶対的に必要なものであり、定期的に計画して行う修繕が実施されない場合、想定以上の費用がかかってしまったり、予期しない事故が起きてしまったりと不利益なことが発生してしまいます。(計画修繕では基本的には予防保全の考えが重要です)


共同住宅であるマンションでは、住んでいる人たちの話し合い、コミュニティの形成が必要不可欠なものですので、色々な考え方があって当然ですが、入念な話し合い・調和が重要です。


たった一人、少数派の意見だけが採用されて維持管理が不十分なものとならないよう、マンション管理について一人一人が興味をもって、積極的に関わるようにしましょう。

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<PS>

初めて分譲マンションに住む方、賃貸マンションに長く住んでいた方が、経験上、この修繕積立金や管理費の意味合いや使途、重要性について理解されていないことが多いと感じます。

分譲マンションは自分の部屋である専有部分以外も、共有ではありますが共用部分も自分の所有物です。

その所有物の維持管理には当然ながらお金が必要です。

自分たちの資産を守る為にも、こういった費用面のことが十分に周知徹底されなければならないと思います。